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化学反応
HgS + I2 → HgI2 + S

HgS + I₂ → HgI₂ + S

更新日：2022/6/13

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS硫化水銀(II) + I₂ヨウ素
⟶
HgI₂ヨウ化水銀(II) + S硫黄

硫化水銀(II)とヨウ素が反応すると，ヨウ化水銀(II)と硫黄が生成します。この反応は酸化還元反応で，

還元性化学種と被還元性化学種の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS硫化水銀(II) + I₂ヨウ素
⟶
HgI₂ヨウ化水銀(II) + S硫黄

一般反応式

還元性化学種と被還元性化学種の反応: 還元性化学種還元剤 + 被還元性化学種酸化剤
⟶
生成物酸化生成物 + 生成物還元生成物

各原子の酸化数

硫化水銀(II)とヨウ素の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
HgS	硫化水銀(II)	1	還元剤	還元性
I₂	ヨウ素	1	酸化剤	被還元性

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
HgI₂	ヨウ化水銀(II)	1	還元生成物	–
S	硫黄	1	酸化生成物	–

熱力学的変化

標準状態における変化 (1)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応 ◆ Δ_rG −51.1 kJ/mol K 8.96 × 10⁸ pK −8.95: HgS結晶性固体赤色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体赤色 + S結晶性固体斜方硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−47.2	−51.1	13	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−47.2	−51.1	13	–
ヨウ素 1 mol あたり	−47.2	−51.1	13	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−47.2	−51.1	13	–
硫黄 1 mol あたり	−47.2	−51.1	13	–

標準状態における変化 (2)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS結晶性固体赤色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体赤色 + S結晶性固体単斜硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−46.9	–	–	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−46.9	–	–	–
ヨウ素 1 mol あたり	−46.9	–	–	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−46.9	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−46.9	–	–	–

標準状態における変化 (3)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS結晶性固体赤色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体黄色 + S結晶性固体斜方硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−44.7	–	–	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−44.7	–	–	–
ヨウ素 1 mol あたり	−44.7	–	–	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−44.7	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−44.7	–	–	–

標準状態における変化 (4)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS結晶性固体赤色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体黄色 + S結晶性固体単斜硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−44.4	–	–	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−44.4	–	–	–
ヨウ素 1 mol あたり	−44.4	–	–	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−44.4	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−44.4	–	–	–

標準状態における変化 (5)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応 ◆ Δ_rG −54.0 kJ/mol K 2.89 × 10⁹ pK −9.46: HgS結晶性固体黒色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体赤色 + S結晶性固体斜方硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−51.8	−54.0	7	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−51.8	−54.0	7	–
ヨウ素 1 mol あたり	−51.8	−54.0	7	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−51.8	−54.0	7	–
硫黄 1 mol あたり	−51.8	−54.0	7	–

標準状態における変化 (6)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS結晶性固体黒色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体赤色 + S結晶性固体単斜硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−51.5	–	–	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−51.5	–	–	–
ヨウ素 1 mol あたり	−51.5	–	–	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−51.5	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−51.5	–	–	–

標準状態における変化 (7)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS結晶性固体黒色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体黄色 + S結晶性固体斜方硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−49.3	–	–	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−49.3	–	–	–
ヨウ素 1 mol あたり	−49.3	–	–	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−49.3	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−49.3	–	–	–

標準状態における変化 (8)

硫化水銀(II)とヨウ素の反応: HgS結晶性固体黒色 + I₂結晶性固体
⟶
HgI₂結晶性固体黄色 + S結晶性固体単斜硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−49.0	–	–	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−49.0	–	–	–
ヨウ素 1 mol あたり	−49.0	–	–	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−49.0	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−49.0	–	–	–

水溶液における変化

硫化水銀(II)とヨウ素の反応 ◆ Δ_rG −41.1 kJ/mol K 1.59 × 10⁷ pK −7.20: HgS結晶性固体赤色 + I₂水溶液 (非解離状態)
⟶
HgI₂水溶液 (非解離状態) + S結晶性固体斜方硫黄

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−43.9	−41.1	−12	–
硫化水銀(II) 1 mol あたり	−43.9	−41.1	−12	–
ヨウ素 1 mol あたり	−43.9	−41.1	−12	–
ヨウ化水銀(II) 1 mol あたり	−43.9	−41.1	−12	–
硫黄 1 mol あたり	−43.9	−41.1	−12	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
HgS (cr) 赤色	-58.2^[1]	-50.6^[1]	82.4^[1]	48.41^[1]
HgS (cr) 黒色	-53.6^[1]	-47.7^[1]	88.3^[1]	–
HgS (g)	–	–	254.75^[1]	–
I₂ (cr)	0^[1]	0^[1]	116.135^[1]	54.438^[1]
I₂ (g)	62.438^[1]	19.327^[1]	260.69^[1]	36.90^[1]
I₂ (ao)	22.6^[1]	16.40^[1]	137.2^[1]	–

* (cr):結晶性固体, (g):気体, (ao):水溶液 (非解離状態)

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
HgI₂ (cr) 赤色	-105.4^[1]	-101.7^[1]	180^[1]	–
HgI₂ (cr) 黄色	-102.9^[1]	–	–	–
HgI₂ (g)	-17.2^[1]	-59.9^[1]	336.13^[1]	61.09^[1]
HgI₂ (ao)	-79.5^[1]	-75.3^[1]	176^[1]	–
S (cr) 斜方硫黄	0^[1]	0^[1]	31.80^[1]	22.64^[1]
S (cr) 単斜硫黄	0.33^[1]	–	–	–
S (g)	278.805^[1]	238.250^[1]	167.821^[1]	23.673^[1]

* (cr):結晶性固体, (g):気体, (ao):水溶液 (非解離状態)

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト