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化学反応
Ag2O + 2HF → 2AgF + H2O

Ag₂O + 2HF → 2AgF + H₂O

更新日：2022/6/13

酸化銀(I)とフッ化水素の反応: Ag₂O酸化銀(I) + 2HFフッ化水素
⟶
2AgFフッ化銀(I) + H₂O水

酸化銀(I)とフッ化水素が反応すると，フッ化銀(I)と水が生成します。この反応は酸塩基反応で，

塩基性酸化物と酸の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

酸化銀(I)とフッ化水素の反応: Ag₂O酸化銀(I) + 2HFフッ化水素
⟶
2AgFフッ化銀(I) + H₂O水

一般反応式

塩基性酸化物と酸の反応: 塩基性酸化物ブレンステッド塩基 + 酸ブレンステッド酸
⟶
塩共役塩基 + H₂O共役酸

各原子の酸化数

酸化銀(I)とフッ化水素の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
Ag₂O	酸化銀(I)	1	ブレンステッド塩基	塩基性酸化物
HF	フッ化水素	2	ブレンステッド酸	酸

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
AgF	フッ化銀(I)	2	共役塩基	塩
H₂O	水	1	共役酸	水

熱力学的変化

標準状態における変化

酸化銀(I)とフッ化水素の反応: Ag₂O結晶性固体 + 2HF気体
⟶
2AgF結晶性固体 + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−121.8	–	–	–
酸化銀(I) 1 mol あたり	−121.8	–	–	–
フッ化水素 1 mol あたり	−60.90	–	–	–
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−60.90	–	–	–
水 1 mol あたり	−121.8	–	–	–

水溶液における変化 (1)

酸化銀(I)とフッ化水素の反応 ◆ Δ_rG −35.67 kJ/mol K 1.77 × 10⁶ pK −6.25: Ag₂O結晶性固体 + 2HF水溶液 (非解離状態)
⟶
2AgF水溶液 (解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−68.76	−35.67	−110.8	–
酸化銀(I) 1 mol あたり	−68.76	−35.67	−110.8	–
フッ化水素 1 mol あたり	−34.38	−17.84	−55.40	–
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−34.38	−17.84	−55.40	–
水 1 mol あたり	−68.76	−35.67	−110.8	–

水溶液における変化 (2)

酸化銀(I)とフッ化水素の反応 ◆ Δ_rG −39.7 kJ/mol K 9.02 × 10⁶ pK −6.96: Ag₂O結晶性固体 + 2HF水溶液 (非解離状態)
⟶
2AgF水溶液 (非解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−92.4	−39.7	−177.0	–
酸化銀(I) 1 mol あたり	−92.4	−39.7	−177.0	–
フッ化水素 1 mol あたり	−46.2	−19.9	−88.50	–
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−46.2	−19.9	−88.50	–
水 1 mol あたり	−92.4	−39.7	−177.0	–

水溶液における変化 (3)

酸化銀(I)とフッ化水素の反応 ◆ Δ_rG −71.73 kJ/mol K 3.69 × 10¹² pK −12.57: Ag₂O結晶性固体 + 2HF水溶液 (解離状態)
⟶
2AgF水溶液 (解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−43.66	−71.73	94.2	53.0
酸化銀(I) 1 mol あたり	−43.66	−71.73	94.2	53.0
フッ化水素 1 mol あたり	−21.83	−35.87	47.1	26.5
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−21.83	−35.87	47.1	26.5
水 1 mol あたり	−43.66	−71.73	94.2	53.0

水溶液における変化 (4)

酸化銀(I)とフッ化水素の反応 ◆ Δ_rG −75.7 kJ/mol K 1.83 × 10¹³ pK −13.26: Ag₂O結晶性固体 + 2HF水溶液 (解離状態)
⟶
2AgF水溶液 (非解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−67.3	−75.7	28.0	–
酸化銀(I) 1 mol あたり	−67.3	−75.7	28.0	–
フッ化水素 1 mol あたり	−33.6	−37.9	14.0	–
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−33.6	−37.9	14.0	–
水 1 mol あたり	−67.3	−75.7	28.0	–

水溶液における変化 (5)

酸化銀(I)とフッ化水素の反応 ◆ Δ_rG −35.67 kJ/mol K 1.77 × 10⁶ pK −6.25: Ag₂O結晶性固体 + 2HF水溶液 (非解離状態)
⟶
2AgF水溶液 (解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−68.76	−35.67	−110.8	–
酸化銀(I) 1 mol あたり	−68.76	−35.67	−110.8	–
フッ化水素 1 mol あたり	−34.38	−17.84	−55.40	–
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−34.38	−17.84	−55.40	–
水 1 mol あたり	−68.76	−35.67	−110.8	–

水溶液における変化 (6)

酸化銀(I)とフッ化水素の反応 ◆ Δ_rG −39.7 kJ/mol K 9.02 × 10⁶ pK −6.96: Ag₂O結晶性固体 + 2HF水溶液 (非解離状態)
⟶
2AgF水溶液 (非解離状態) + H₂O液体

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−92.4	−39.7	−177.0	–
酸化銀(I) 1 mol あたり	−92.4	−39.7	−177.0	–
フッ化水素 1 mol あたり	−46.2	−19.9	−88.50	–
フッ化銀(I) 1 mol あたり	−46.2	−19.9	−88.50	–
水 1 mol あたり	−92.4	−39.7	−177.0	–

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
Ag₂O (cr)	-31.05^[1]	-11.20^[1]	121.3^[1]	65.86^[1]
HF (l) xは未確定の残余エントロピー	-299.78^[1]	–	75.40+x^[1]	–
HF (g)	-271.1^[1]	-273.2^[1]	173.779^[1]	29.133^[1]
HF (ai)	-332.63^[1]	-278.79^[1]	-13.8^[1]	-106.7^[1]
HF (ao)	-320.08^[1]	-296.82^[1]	88.7^[1]	–

* (cr):結晶性固体, (l):液体, (g):気体, (ai):水溶液 (解離状態), (ao):水溶液 (非解離状態)

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
AgF (cr)	-204.6^[1]	–	–	–
AgF (ai)	-227.07^[1]	-201.69^[1]	59.0^[1]	-84.9^[1]
AgF (ao)	-238.9^[1]	-203.7^[1]	25.9^[1]	–
AgF (cr) 2水和物	-800.8^[1]	-671.0^[1]	174.9^[1]	130^[1]
AgF (cr) 4水和物	-1388.3^[1]	-1147.0^[1]	268^[1]	209^[1]
H₂O (cr)	–	–	–	–
H₂O (l)	-285.830^[1]	-237.129^[1]	69.91^[1]	75.291^[1]
H₂O (g)	-241.818^[1]	-228.572^[1]	188.825^[1]	33.577^[1]

* (cr):結晶性固体, (ai):水溶液 (解離状態), (ao):水溶液 (非解離状態), (l):液体, (g):気体

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト