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化学反応
4FeS + 3MnO2 → 2Fe2O3 + S + 3MnS

4FeS + 3MnO₂ → 2Fe₂O₃ + S + 3MnS

更新日：2022/6/13

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS硫化鉄(II) + 3MnO₂酸化マンガン(IV)
⟶
2Fe₂O₃酸化鉄(III) + S硫黄 + 3MnS硫化マンガン(II)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)が反応すると，酸化鉄(III)と硫黄，硫化マンガン(II)が生成します（その他の反応はこちら）。この反応は酸化還元反応で，

還元性化学種と被還元性化学種の反応

に分類されます。

目次

化学反応情報

化学反応式

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS硫化鉄(II) + 3MnO₂酸化マンガン(IV)
⟶
2Fe₂O₃酸化鉄(III) + S硫黄 + 3MnS硫化マンガン(II)

一般反応式

還元性化学種と被還元性化学種の反応: 還元性化学種還元剤 + 被還元性化学種酸化剤
⟶
生成物酸化生成物 + 生成物還元生成物

各原子の酸化数

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応

反応物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
FeS	硫化鉄(II)	4	還元剤	還元性
MnO₂	酸化マンガン(IV)	3	酸化剤	被還元性

生成物

化学式	名称	係数	分類	一般反応式における分類
Fe₂O₃	酸化鉄(III)	2	酸化生成物	–
S	硫黄	1	酸化生成物	–
MnS	硫化マンガン(II)	3	還元生成物	–

熱力学的変化

標準状態における変化 (1)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応 ◆ Δ_rG −342.6 kJ/mol K 1.05 × 10⁶⁰ pK −60.02: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂結晶性固体
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体斜方硫黄 + 3MnS結晶性固体緑色

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−330.9	−342.6	40.9	15.64
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−82.72	−85.65	10.2	3.910
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−110.3	−114.2	13.6	5.213
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−165.4	−171.3	20.4	7.820
硫黄 1 mol あたり	−330.9	−342.6	40.9	15.64
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−110.3	−114.2	13.6	5.213

標準状態における変化 (2)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂結晶性固体
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体斜方硫黄 + 3MnS非晶質固体桃色, 沈殿物

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−329.7	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−82.42	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−109.9	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−164.8	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−329.7	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−109.9	–	–	–

標準状態における変化 (3)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂結晶性固体
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体単斜硫黄 + 3MnS結晶性固体緑色

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−330.6	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−82.65	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−110.2	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−165.3	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−330.6	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−110.2	–	–	–

標準状態における変化 (4)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂結晶性固体
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体単斜硫黄 + 3MnS非晶質固体桃色, 沈殿物

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−329.4	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−82.35	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−109.8	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−164.7	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−329.4	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−109.8	–	–	–

標準状態における変化 (5)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体斜方硫黄 + 3MnS結晶性固体緑色

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−383.5	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−95.88	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−127.8	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−191.8	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−383.5	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−127.8	–	–	–

標準状態における変化 (6)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体斜方硫黄 + 3MnS非晶質固体桃色, 沈殿物

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−382.3	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−95.58	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−127.4	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−191.2	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−382.3	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−127.4	–	–	–

標準状態における変化 (7)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体単斜硫黄 + 3MnS結晶性固体緑色

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−383.2	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−95.80	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−127.7	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−191.6	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−383.2	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−127.7	–	–	–

標準状態における変化 (8)

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂非晶質固体沈殿物
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体単斜硫黄 + 3MnS非晶質固体桃色, 沈殿物

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−382.0	–	–	–
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−95.50	–	–	–
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−127.3	–	–	–
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−191.0	–	–	–
硫黄 1 mol あたり	−382.0	–	–	–
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−127.3	–	–	–

水溶液における変化

硫化鉄(II)と酸化マンガン(IV)の反応 ◆ Δ_rG −342.6 kJ/mol K 1.05 × 10⁶⁰ pK −60.02: 4FeS結晶性固体鉄多含磁硫鉄鉱, α + 3MnO₂結晶性固体
⟶
2Fe₂O₃結晶性固体 + S結晶性固体斜方硫黄 + 3MnS結晶性固体緑色

	標準反応エンタルピー Δ_rH° kJ · mol⁻¹	標準反応ギブスエネルギー Δ_rG° kJ · mol⁻¹	標準反応エントロピー Δ_rS° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準反応定圧熱容量 Δ_rC_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
反応式 1 mol あたり	−330.9	−342.6	40.9	15.64
硫化鉄(II) 1 mol あたり	−82.72	−85.65	10.2	3.910
酸化マンガン(IV) 1 mol あたり	−110.3	−114.2	13.6	5.213
酸化鉄(III) 1 mol あたり	−165.4	−171.3	20.4	7.820
硫黄 1 mol あたり	−330.9	−342.6	40.9	15.64
硫化マンガン(II) 1 mol あたり	−110.3	−114.2	13.6	5.213

反応物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
FeS (cr) 鉄多含磁硫鉄鉱, α	-100.0^[1]	-100.4^[1]	60.29^[1]	50.54^[1]
MnO₂ (cr)	-520.03^[1]	-465.14^[1]	53.05^[1]	54.14^[1]
MnO₂ (am) 沈殿物	-502.5^[1]	–	–	–

* (cr):結晶性固体, (am):非晶質固体

生成物の熱力学データ

化学式	標準生成エンタルピー Δ_fH° kJ · mol⁻¹	標準生成ギブスエネルギー Δ_fG° kJ · mol⁻¹	標準モルエントロピー S° J · K⁻¹ · mol⁻¹	標準モル定圧熱容量 C_p° J · K⁻¹ · mol⁻¹
Fe₂O₃ (cr)	-824.2^[1]	-742.2^[1]	87.40^[1]	103.85^[1]
S (cr) 斜方硫黄	0^[1]	0^[1]	31.80^[1]	22.64^[1]
S (cr) 単斜硫黄	0.33^[1]	–	–	–
S (g)	278.805^[1]	238.250^[1]	167.821^[1]	23.673^[1]
MnS (cr) 緑色	-214.2^[1]	-218.4^[1]	78.2^[1]	49.96^[1]
MnS (am) 桃色, 沈殿物	-213.8^[1]	–	–	–

* (cr):結晶性固体, (g):気体, (am):非晶質固体

参考文献

参考文献一覧

1
Janiel J. Reed (1989)
The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
https://doi.org/10.18434/M32124
National Institute of Standards and Technology (NIST)
引用リスト