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次亜塩素酸

次亜塩素酸の化学構造式

次亜塩素酸Hypochlorous acidは,化学式 HClO で表される無機化合物です。

目次
  1. 1名称
  2. 2化学式と構造
  3. 3物質情報
  4. 4構成要素
  5. 5熱力学的性質
  6. 6溶解度
  7. 7製法
  8. 8化学反応
  9. 9参考文献
  10. 10関連物質
  11. 11関連カテゴリ

名称

物質名称一覧

命名法
Nomenclature
名称
Name
代表的名称
Typical name
次亜塩素酸
Hypochlorous acid
組成命名法
Compositional nomenclature
次亜塩素酸水素
Hydrogen hypochlorite
付加命名法
Additive nomenclature
ヒドロキシド塩素
Hydroxidochlorine
クロリドヒドリド酸素
Chloridohydridooxygen
水素命名法
Hydrogen nomenclature
オキシド塩素酸水素
Hydrogen(oxidochlorate)
IUPAC許容慣用名
IUPAC acceptable common names
次亜塩素酸
Hypochlorous acid

化学式と構造

化学式一覧

化学式名称
Formula name
化学式
Formula
代表的化学式
Typical formula
HClO
分子式
Molecular formula
HClO
組成式
Compositional formula
HClO
構造式
Structural formula
次亜塩素酸の化学構造式
電子式 (ルイス構造式)
Lewis structure
次亜塩素酸の電子式 (ルイス構造式)
電子式 (ルイス構造式, 色付き)
Colored Lewis structure
次亜塩素酸の電子式 (ルイス構造式, 色付き)
その他の構造式
Other structural formulas
次亜塩素酸の化学構造式 (孤立電子対なし)

物質情報

物質情報一覧

項目
Item
Value
名称
Name
次亜塩素酸
Hypochlorous acid
化学式
Formula
HClO
外観
Appearance
淡黄色の水溶液
Pale yellow aqueous solution
臭気
Odor
塩素臭
Chlorine smell
モル質量
Molar mass
52.46 g/mol
密度
Density
融点
Melting point
沸点
Boiling point

構成要素

構成原子

原子
Atom
名称
Name
酸化数
Oxidation state
個数
Number
H水素+11
Cl塩素+11
O酸素−21

原子の比率

原子
Atom
原子量
Atomic weight
個数
Number
原子比率
Atomic ratio
重量比率
Weight ratio
H1.008133.33%1.92%
Cl35.45133.33%67.58%
O15.999133.33%30.50%
HClO原子比率
ClO重量比率

熱力学的性質

相転移特性

項目
Item
Value
融解熱
Enthalpy of fusion
蒸発熱
Enthalpy of vaporization
蒸発熱 (25°C)
Enthalpy of vaporization at 25°C
その他転移エンタルピー
Enthalpy of other transition

標準熱力学特性

状態
State
標準生成
エンタルピー
ΔfH°
kJ · mol−1
標準生成
ギブス
エネルギー
ΔfG°
kJ · mol−1
標準モル
エントロピー
S°
J · K−1 · mol−1
標準モル
定圧熱容量
Cp°
J · K−1 · mol−1
気体−78.7[1]−66.1[1]236.67[1]37.15[1]
水溶液 (非解離状態)−120.9[1]−79.9[1]142.[1]

溶解度

溶解性

反応
Reactive
混和
Miscible
易溶
Very soluble
可溶
Soluble
微溶
Slightly soluble
難溶
Very slightly soluble
不溶
Insoluble

製法

酸性酸化物の反応

一酸化二塩素が反応すると,次亜塩素酸が生成します。

一酸化二塩素の反応
ΔrG−20.6 kJ/mol
K4.06 × 103
pK−3.61

弱酸の塩強酸の反応

弱酸の塩強酸が反応すると,次亜塩素酸が生成する場合があります。

揮発性の酸の塩不揮発性の酸の反応

揮発性の酸の塩不揮発性の酸が反応すると,次亜塩素酸が生成する場合があります。

非金属の反応

塩素が反応すると,次亜塩素酸塩化水素が生成します。

塩素の反応
ΔrG55.0 kJ/mol
K0.23 × 10−9
pK9.64

電気分解

液体を電気分解すると,次亜塩素酸が生成する場合があります。

過塩素酸の電気分解
ΔrG−142.8 kJ/mol
K1.04 × 1025
pK−25.02
過塩素酸の電気分解
ΔrG91.8 kJ/mol
K0.83 × 10−16
pK16.08

分解反応

熱分解性物質が分解すると,次亜塩素酸が生成する場合があります。

塩素酸アンモニウムの分解
ΔrG−43.2 kJ/mol
K3.70 × 107
pK−7.57
塩素酸アンモニウムの分解
ΔrG−413.0 kJ/mol
K2.26 × 1072
pK−72.35
亜塩素酸の分解
ΔrG−93.7 kJ/mol
K2.60 × 1016
pK−16.42

化学反応

電離反応

次亜塩素酸が電離すると,水素イオン次亜塩素酸イオンが生成します。

次亜塩素酸の電離
ΔrG43.1 kJ/mol
K0.28 × 10−7
pK7.55
HClO次亜塩素酸
H+水素イオン + ClO次亜塩素酸イオン

塩基との反応

次亜塩素酸塩基が反応すると,が生成します。

塩基性酸化物との反応

塩基性酸化物次亜塩素酸が反応すると,が生成します。

脱水性酸性酸化物との反応

次亜塩素酸脱水性酸性酸化物が反応すると,一酸化二塩素オキソ酸が生成します。

次亜塩素酸十酸化四リンの反応
ΔrG−326.3 kJ/mol
K1.46 × 1057
pK−57.17

自己酸化還元性化学種との反応

自己酸化還元性化学種次亜塩素酸が反応すると,種々の生成物が生成します。

塩素次亜塩素酸の反応
ΔrG75.6 kJ/mol
K0.57 × 10−13
pK13.24

還元性化学種との反応

還元性化学種次亜塩素酸が反応すると,種々の生成物が生成します。

水素次亜塩素酸の反応
ΔrG−332.1 kJ/mol
K1.52 × 1058
pK−58.18
水素次亜塩素酸の反応
ΔrG−270.1 kJ/mol
K2.09 × 1047
pK−47.32
硫化水素次亜塩素酸の反応
ΔrG−286.6 kJ/mol
K1.62 × 1050
pK−50.21
マンガン次亜塩素酸の反応
ΔrG−495.9 kJ/mol
K7.55 × 1086
pK−86.88
スズ次亜塩素酸の反応
ΔrG−550.4 kJ/mol
K2.67 × 1096
pK−96.43

被酸化性化学種との反応

被酸化性化学種次亜塩素酸が反応すると,種々の生成物が生成します。

被酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

被酸化性化学種次亜塩素酸水素イオンが反応すると,種々の生成物が生成します。

次亜塩素酸の反応 (酸性条件下)
ΔrG−249.0 kJ/mol
K4.20 × 1043
pK−43.62
Cu + 2HClO次亜塩素酸 + 2H+水素イオン
Cu2+銅(II)イオン + Cl2塩素 + 2H2O
次亜塩素酸の反応 (酸性条件下)
ΔrG−214.5 kJ/mol
K3.79 × 1037
pK−37.58
2Cu + 2HClO次亜塩素酸 + 2H+水素イオン
2Cu+銅(I)イオン + Cl2塩素 + 2H2O
ヨウ化カリウム次亜塩素酸の反応 (酸性条件下)
ΔrG−194.9 kJ/mol
K1.40 × 1034
pK−34.15
2KIヨウ化カリウム + 2HClO次亜塩素酸 + 2H+水素イオン
2K+カリウムイオン + I2ヨウ素 + Cl2塩素 + 2H2O
ヨウ化カリウム次亜塩素酸の反応 (酸性条件下)
ΔrG−133.0 kJ/mol
K2.00 × 1023
pK−23.30
2KIヨウ化カリウム + HClO次亜塩素酸 + 2H+水素イオン
2K+カリウムイオン + I2ヨウ素 + HCl塩化水素 + H2O

酸化性化学種との反応

次亜塩素酸酸化性化学種が反応すると,種々の生成物が生成します。

次亜塩素酸酸素の反応
ΔrG93.6 kJ/mol
K0.40 × 10−16
pK16.40
次亜塩素酸硝酸の反応
ΔrG253.3 kJ/mol
K0.42 × 10−44
pK44.38
次亜塩素酸硝酸の反応
ΔrG335.4 kJ/mol
K0.17 × 10−58
pK58.76

難酸化性化学種との反応

難酸化性化学種次亜塩素酸が反応すると,種々の生成物が生成します。

塩化水素次亜塩素酸の反応
ΔrG−26.0 kJ/mol
K3.59 × 104
pK−4.56

酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

次亜塩素酸酸化性化学種水素イオンが反応すると,種々の生成物が生成します。

次亜塩素酸過マンガン酸カリウムの反応 (酸性条件下)
ΔrG−462.5 kJ/mol
K1.06 × 1081
pK−81.03
5HClO次亜塩素酸 + 6KMnO4過マンガン酸カリウム + 18H+水素イオン
5HClO4過塩素酸 + 6Mn2+マンガン(II)イオン + 9H2O + 6K+カリウムイオン
次亜塩素酸過マンガン酸カリウムの反応 (酸性条件下)
ΔrG−462.5 kJ/mol
K1.06 × 1081
pK−81.03
5HClO次亜塩素酸 + 6KMnO4過マンガン酸カリウム + 13H+水素イオン
5KClO4過塩素酸カリウム + 6Mn2+マンガン(II)イオン + 9H2O + K+カリウムイオン

難酸化性化学種との反応 (酸性条件下)

難酸化性化学種次亜塩素酸水素イオンが反応すると,種々の生成物が生成します。

塩化ナトリウム次亜塩素酸の反応 (酸性条件下)
ΔrG−26.0 kJ/mol
K3.59 × 104
pK−4.56
NaCl塩化ナトリウム + HClO次亜塩素酸 + H+水素イオン
Na+ナトリウムイオン + Cl2塩素 + H2O
塩化ナトリウム次亜塩素酸の反応 (酸性条件下)
ΔrG−6.1 kJ/mol
K1.17 × 101
pK−1.07
5NaCl塩化ナトリウム + 3HClO次亜塩素酸 + 5H+水素イオン
🔥
5Na+ナトリウムイオン + 3Cl2塩素 + 2HCl塩化水素 + 3H2O

分解反応

次亜塩素酸が分解すると,一酸化二塩素が生成します。

次亜塩素酸の分解
ΔrG20.6 kJ/mol
K0.25 × 10−3
pK3.61
次亜塩素酸の分解
ΔrG8.5 kJ/mol
K0.32 × 10−1
pK1.49
次亜塩素酸の分解
ΔrG343.5 kJ/mol
K0.66 × 10−60
pK60.18
次亜塩素酸の分解
ΔrG−68.3 kJ/mol
K9.24 × 1011
pK−11.97
8HClO次亜塩素酸
🔥|🕒|️☀️
2ClO2二酸化塩素 + 3Cl2塩素 + 4H2O

水溶液の電気分解

次亜塩素酸水溶液を電気分解すると,種々の生成物が生成します。

次亜塩素酸水溶液の電気分解 (水≠反応物)
ΔrG231.8 kJ/mol
K0.25 × 10−40
pK40.61
次亜塩素酸水溶液の電気分解 (水≠反応物)
ΔrG331.4 kJ/mol
K0.87 × 10−58
pK58.06
次亜塩素酸水溶液の電気分解 (水=酸化剤)
ΔrG782.8 kJ/mol
K0.72 × 10−137
pK137.14
次亜塩素酸水溶液の電気分解 (水=酸化剤)
ΔrG546.2 kJ/mol
K0.20 × 10−95
pK95.69
の電気分解
ΔrG474.258 kJ/mol
K0.82 × 10−83
pK83.09
2H2O
2H2水素 + O2酸素

参考文献

参考文献一覧

  1. 1
    Janiel J. Reed (1989)
    The NBS Tables of Chemical Thermodynamic Properties: Selected Values for Inorganic and C1 and C2 Organic Substances in SI Units
    National Institute of Standards and Technology (NIST)